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はじめに

最適化アルゴリズムは,与えられた領域において最小値(最大値)をとる解を探索するためのアルゴリズムである. 一般に最適化アルゴリズムの良さを決定することは困難であるが,以下の2点が重要とされている.

網羅性と効率性に優れたアルゴリズムとして,集団的降下法に基づくアルゴリズムが注目されている. 集団的降下法とは,複数の解の集合により集団を形成し,集団から得られる情報に基き,集団の各要素に対して順次新しい解を生成し,新しい解が良ければ古い解と置換するという方法である.

集団的降下法の代表として,差分進化(Differential Evolution, DE) と 粒子群最適化(Particle Swarm Optimization, PSO) がある. DE では,個体により集団を形成し,各個体から交叉と突然変異により新しい個体を生成し,新しい個体が良ければ古い個体と置換する[1,2,3,4]. PSO では,解に対応する位置の情報を持つエージェントにより集団を形成し,各エージェントの現在位置とエージェントの最良位置と集団の最良位置により新しい位置を生成し,その位置が最良位置より良ければ古い最良位置と置換する[5,6,7,8,9,10,11]. これらの方法は,集団の各要素が降下法により個別に最適化されるため,集団が急速に特定の解に集中することが少なく,網羅性の高い探索が行われる. また,各要素が新しい解を生成する際に集団の情報を利用できるため,一つの点による降下法と比較すると局所解に陥りにくい効率の良い探索が行われる.



takahama 2007-07-13