グラフィカルユーザインタフェース(GUI)の開発は一般にかなり困難であり,従来の文字入出力を基本とするテキスト型ユーザインタフェース(TUI)との互換性が殆どないため,既存の応用プログラムをGUIに適応させる際にはユーザインタフェース部の再構築が必要となる.
本論文では,「ウィンドウの属性および属性値を内部変数として扱う」という視点によって,TUIを持つ応用プログラム群をそのままの形でGUIへ移行させることのできるユーザインタフェースシステムUAI/Xを提案する. UAI/Xでは応用プログラムが入出力用に使用するウィンドウの種類や属性を非常に簡単な記述方法で定義できるだけでなく,定義した属性を変数として取り扱う機構や応用プログラムとの通信領域を変数として取り扱う機構を提供しているため,ウィンドウ定義中に応用プログラムの呼出しを埋め込むことによって比較的簡単に応用プログラム群をGUI環境に統合させることができる. 評価のために,ファイル処理用のコマンドをUAI/Xで統合することによりGUI対応のファイル管理システムを構築し,既存システムと比較することにより,UAI/Xの有効性を示す.