最適化問題の中には厳密解を求めようとすると,計算量が膨大となり, 実用的な計算時間で解を求められないような問題が多数存在する. このような問題に対しては,実用的な計算時間で最適解に近い近似解を求める 最適化手法である近似アルゴリズムが有効である.

本研究では,チームによる教育の様子をモデル化した新しい近似アルゴリズムである チームモデルを提案する. チームモデルは,「組織の中から何人かの人を選び出して1つのチームを構成し, チーム内で比較的優れた人が教師となり他の人を教えたり, あるいは互いに教えあうことにより,チーム内のレベルを向上させる」ことを 繰り返すことによって,全体としてのレベルを向上して行くという方法である.

チームモデルの有効性を示すために,比較的単純な関数最小化問題, 巡回セールスマン問題,ナップザック問題などについて数値実験を行い, 遺伝的アルゴリズムとの比較を行った.