簡略ファジィ推論において逐次学習を行う際の問題点として, 前件部メンバシップ関数を独立に調整するため, 人間の通常用いるルール,すなわちメンバシップ関数を共通化するルールとは 異なった形式となってしまうこと, ルールパラメータの調整により前件部のメンバシップ関数の形状が変化し, どのルールにも覆われない空白領域が出現することが指摘されている. 本研究では,格子構造型ファジィ推論ルールにおいて, 形状パラメータを有する三角型ファジィ集合を前件部に持つ, 定義域全体を確実に覆うファジィ推論ルールを提案する. 前件部メンバシップ関数を共通化しながら, 本推論ルールにおいて後件部実数値,分割点,形状パラメータを学習する デルタ則を導出する. デルタ則に基づき逐次学習を行い, 幾つかの関数を同定することにより, 本研究の有効性を示す.