GAd(Genetic Algorithm with Degeneration) は遺伝的アルゴリズムに遺伝子損傷の概念を導入し,各遺伝子に損傷度を付加した遺伝子を用い,遺伝子損傷により有効性の低い遺伝子を不活性化し,退化を発現させることにより,不要なモデルパラメータを削除するアルゴリズムである. GAd を用いてファジィルールの構造学習を行う際,適切な退化速度が問題毎に異なるため,退化速度の選択は困難であり,試行錯誤的に決定しなければならなかった. 退化速度が遅すぎる場合には訓練データに対する推論誤差は小さくなるがルールが十分に削除されない.退化速度が速すぎる場合にはルールは削除されるが推論誤差が大きくなってしまう. 本研究では,ルールパラメータ値の低減を主とする段階,積極的にパラメータを削除する段階,推論誤差を最小化する段階という3段階で構造学習を行い,各段階で適切に退化速度を調節することにより,この問題を解決することを提案する. 改良された GAd により幾つかの関数に対して RBF (Radial Basis Function) ファジイルールの構造学習を行い,既存の方法と比較することにより,本方法の有効性を示す.